中国会社設立徹底解説!「中国の貿易市場」

 

 中国の各業界において対アジア貿易収支の黒字拡大を牽引しているのは東アジアです。しかし、対 ASEAN の貿易収支も 2012 年以降黒字が定着し、かつ拡大傾向にあります。また、南西アジアとの経済貿易収支は 2001 年以降一 貫して黒字であり、かつ近年、黒字幅が拡大しています。

  対東アジアの経済貿易黒字拡大の主因は香港・澳門向け輸出の大幅拡大を背景とした同地域での経済貿易黒字の拡大にあります。日本・韓国・台湾との貿易については、輸出と輸入を合算した貿易総額では依然として 日本が最大でしたが、各業界対日貿易は輸出入とも漸減傾向にあり、特に対日輸入の減少幅が大きく、各業界対日貿易赤字は縮小傾向にあります。これに対して対韓国・台湾の各業界輸出入は 2015 年(1-11 月実績年率換算値)を除けば、緩やかな拡大傾向にあり、各業界貿易赤字が継続しています。

>>このような対日貿易の状況において、日系の会社の中国での進出に関する情報はこちらのサイトをご参照ください。

 中国の経済貿易黒字の拡大という表面的な事象の下で、繊維における台湾、あるいはインド、パキスタンなどとの競合ないし棲み分け、あるいはインフラ拡大につながる南西アジア諸国のセメント・ガラス類やベースメタルの輸入拡大などの動きもみられます。中国の圧倒的な各業界の輸出力が脅威であることも事実だが、中国との経済貿易関係の拡大の中でアジアの生産力の底上げにつながる深化の動きがあることも見逃してはならないでしょう。

出典::三菱UFJリサーチ&コンサルティング